野良狼と野良少女

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【旺太side】





「はぁ…」


やっと寝静まってくれた。




嫌い、なんて言われてたらあのままキスして抱きしめて、どうにかしてたかもしれない。


泣き叫ばれてもきっと辞められなかっただろう。





眠ったはずの羅奈の目から伝う涙を指ですくう。



何があったのか、俺には分からない。


でも店に来た時から表情は曇っていたし、目も合わなかった。





そもそも絡みの無いはずの壮馬さんが羅奈を連れてきた時点で意味がわからなかった。




それに羅奈は見たことない丈の短いワンピースなんか着て。


そこに関しては、単なる嫉妬だけど。




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