野良狼と野良少女


「ふふっ、何言い争ってんの2人」


「おいおい公共の場でいちゃいちゃしちゃダメだろ!」


「一葉ちゃん、ヤノくん、これはいちゃいちゃじゃないよ喧嘩だよ。」


「どこがいちゃついて見えるんだ。」




2人で反論をすれば双子は呆れたようにやれやれとため息をつく。





「旺太、叶野さが大学でモテたらキャンパス内の男全員駆逐しそう」


「いや、某マンガじゃないんだから…」


「いやいやありえるよ。あみぽんてば旺太の重さになれちゃってんだわ。こわーい洗脳教育」

「こわぁい」




「しばくぞクソ双子」





旺太の眼光に子鹿足になるヤノくんを置き去りに繁華街のゲートをくぐる。


卒業式。きっと四人一緒の最後の下校。




「…一葉ちゃん、やっぱり引っ越すの辞めない?」


「何言ってんのさ、もう引っ越し先決まってるし!来月から大学始まるよ」




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