野良狼と野良少女


一葉ちゃんはここから2時間以上離れた所の大学に進学し、一人暮らし。


きっと引っ越してしまったらもうなかなか気軽にはあえなくなる。



寂しいな…


初めてできたといっても過言ではない、女の子の友達だったから。





「叶野さん、俺は?俺は?」


「ヤノくんはいつでも会えるでしょ」


「うん俺はその言葉だけで十分だよ女神様 」


「近いどけ」


「いってえ!!旺太てめえ俺が叶野さんと大学一緒だからって!」





ヤノくんが涙目で反抗すると旺太は鬼の形相で睨みつけた。





そう、実は私とヤノくんは大学が一緒。

学部は違うけど、同じキャンパスだからきっと今よりは減るけど顔を合わせるだろう。




一方一葉ちゃんは県外、旺太は遠くはないけど隣駅の他大学。


学校で一緒にいられるのは今日が最後なんだ。




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