野良狼と野良少女
――― ―
「あみぽ〜ん!おまたせー!おひさ〜」
「久しぶり一葉ちゃん、ちょっと髪の毛伸びたね」
「ロングの方が客ウケいいんだ〜」
「ウケ?」
「あ、なんでもない気にしないで」
カフェ店員さんで客ウケなんてものを意識してるの…?
一時期のニート生活を送っていた一葉ちゃんとは思えないキラキラ大学生ぶりだな。
可愛らしいファッションにくるくるにまかれたツインテール。
授業終わりに疲れた顔で引きつった笑顔でバイトしていた私とは大違いみたいだ。
「荷物多いね?」
「今日にゃんコスの日だから」
「にゃん…?」
「とりあえず行こっか、こっちこっち〜」
どこかるんるんの一葉ちゃんに着いていく
まさか一葉ちゃんのバイト先がとんでもない場所だとも知らずに。