野良狼と野良少女




「…なんだよ」


「いや、一ノ瀬くんって…笑えるんだね」


「お前は俺をなんだと思ってるんだ」




冷徹オオカミ、もしくはサイボーグです。なんて。




「いだっ」




頭の中で悪口を言っていたらでこぴんを食らった。


さっき頭を小突かれたのを含め2度目のアタックだ。




「…ぼーりょく反対」


「お前が頭の中で悪口言ってたからだろ」




「え、なんでわかったの…?」

「ちょっとは否定しろバカ」




冷徹オオカミだの能面イケメンだの言われてるけど、案外普通の人なのかもしれない。


というか、全然普通じゃん。




確かに愛想はないし目つきは悪いし金髪ピアスでいかついけど。




「一ノ瀬くんの金髪って先生公認?」


「なわけ。もう諦められてるんじゃないの」


「へぇ…先生って大変な職業だね」


「しばくぞ」




つい本音が漏れてしまったけど一ノ瀬くんのしばくぞはほんとにしばかれるから気をつけないと。




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