野良狼と野良少女
……なんて、生態をあげていったらきっとキリがないだろう。
隣の席になって非常階段で話してからたまに話しかけてくるようになったけど、彼は変人だ。
これは間違いない。私が保証しよう。保証人にでもなってやろう。
「叶野って絶対失礼なこと頭の中で考えてるよね」
「ソンナコトナイヨ」
「カタコトだし。どうせ頭の中で俺の悪口でも言ってたんだろバカタレ」
「直接言う一ノ瀬くんよりましじゃんか!」
「ちょっとは否定しろバカ」
とまあこんなやりとりはもう日常化しつつある。
最初こそクラスのみんなの視線は痛いわ目付けられそうで怖いわ大変だったけど。
「なぁ猛獣使い、もう帰ろうよ」
「ばかじゃないの猛獣。終わんなきゃ留年だよ」
「だから代わりにやってって」
「やめて同じやり取りは不毛だから」
あと猛獣使いって呼ばないで、と言うと一ノ瀬くんはニヤニヤ笑った。