野良狼と野良少女



「ちょっと一ノ瀬くん!」


「早くしろ、一葉のやつ寝るぞ」


「え、まだ5時だよね?おじいちゃんじゃないんだから」


「あほ。あいつはニートだ。いつ寝るかわかんねぇ」




どうやら一ノ瀬くんがヤノくんの家に遊びに行っても滅多に一葉ちゃんには遭遇しないらしい。




部屋にこもりっきり、というか寝てるらしく。




ニートとは言え精神的に病んでるわけじゃないから日中はずっとリビングにいるか出かけてるらしい。


まわりも大概不良だな、この人…




「一葉のこと学校連れてこれたらなんでも奢ってやる」


「…え、それ95%くらい無理な時にやる賭けだよね?私の勝機ゼロ?」


「2%」




それはほぼゼロだわ。





「とにかく、期待してるから」


「期待してるなら勝機上げてよ」




そもそも血の繋がってるヤノくんとその親友(?)一ノ瀬くんが連れ出そうとしても無理なら私には無理だ。


だって赤の他人だもん。クラス一緒とはいえ1度も来ていないならあったことも無い。




「1%じゃないだけマシだろ」


「変わんないよ」





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