野良狼と野良少女
「えと…叶野羅奈です、よろしくお願いします…」
「えーうける!堅苦しすぎない?こんな真面目そうな子があんなバカ高に転がってんの?」
ぎゃはははという一葉ちゃんの笑い声はとてもヤノくんと同じDNAを感じた。
双子のわりに顔は全然似てないな、とか思ってたけどやっぱり双子だな。
なんとなく本人には言わないでおくけど。
「うちの高校の宝だよ、叶野さんは」
「大袈裟すぎない…?」
「座ったら?あ、国宝女の席ここね」
なんて嘲笑しながら言う一ノ瀬くんの隣に座らされ、向かい合ったソファの反対に双子が座る。
どういう状況なのかはいまいち不明。
「おい一葉、また俺の服着てんのかよ」
「だって自分の服着て汚したらやじゃん」
「俺の服なんだと思ってんだ」
相も変わらず言い合いを繰り広げる双子はもうほっとくとしよう。
私一葉ちゃんと仲良くなるために連れてこられたはずなんだけど…