野良狼と野良少女


「はい、7人目」




ぽいっと返されたスマホには今度は “ 一ノ瀬旺太 ” と表示される。




プロフィール画像すら登録されていないシンプルな画面に一ノ瀬くんらしさを感じた。


一ノ瀬くんの連絡先…




学校の子達が喉から手が出るほど欲しがるだろうプレミア付き連絡先が自分のスマホに入っている。


変な感じがしたけど、なぜかとても嬉しかった。




「あ、はいはい!じゃあ俺が8」


「却下。お前はいい」


「はぁ!?なんで旺太にそんなこと決められなきゃいけねーの!」


「用があったら一葉のスマホから連絡すりゃいいだろ、よかったな双子で」


「しばくぞ!!!」




一ノ瀬くんは小型犬のようにキャンキャン吠えるヤノくんを軽くあしらって。




「帰るぞ」




なんて私の分のカバンまで肩にかけて歩き出す。




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