野良狼と野良少女


―――――


「おはようあみぽん」

「叶野さんおはよう」

「……おー」





次の日の朝、当たり前のような顔で教室で私を迎える3人。


ああ、やっと友達ができたんだ。なんて少し心が躍る。

そして柄にもなくニヤけそうな頬を必死に抑えて…






……ん?







「一葉ちゃん…!?」


「やっほぉ〜」




一ノ瀬くんの隣……私の席に座ってヒラヒラ手を振る女の子。




可愛い顔、艶のある髪、どこかヤノくんに似た雰囲気。




何度瞬きしても、そこにいるのは間違いなくニートこと綾野一葉ちゃんだった。




「叶野さんがいるからとかいって普通に学校来た、びっくりだよほんと」


「ニート卒業」


「あんたらまじでうざい」




散々ニートと言われていた一葉ちゃんがうちの学校の制服を着て、私たちと同じ教室にいる。

その状況がやっぱり理解できなくてその日1日何度も一葉ちゃんの存在を確認してしまったことは言うまでもない。







「一ノ瀬が猛獣なら綾野一葉は珍獣ってとこだからね、よく手なずけたよ叶野…」



朝のHRで涙目で担任に感謝をされ

この日から私の異名に新しく “ 珍獣使い ” が追加されたわけだ。




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