野良狼と野良少女
第一章
猛犬注意
【羅奈side】
「あった…」
“ 3年B組 ” と書かれた列に自分の名前を見つけて安堵する。
春、新たな季節がやってきた。
叶野 羅奈。
今日から高校3年生。18歳。
ごく普通の私立高校に通う私は3年目で顔馴染みの増えたクラス分け表をカバンにしまった。
……あの人も同じクラスだったな。
きっともう覚えてないだろう、あの夜のこと。
いや、忘れててくれないと困るんだけどさ。
一ノ瀬 旺太。
名字がア行で名前順の表の1番上に登場した彼の名前は嫌でも目に入った。
はじめてのパパ活で騙されてホテルに連れ込まれかけたあの夜
私を助けてくれた、金髪の彼。
一ノ瀬旺太くんはこの学校でだいぶ名の知れた存在だった。
「あった…」
“ 3年B組 ” と書かれた列に自分の名前を見つけて安堵する。
春、新たな季節がやってきた。
叶野 羅奈。
今日から高校3年生。18歳。
ごく普通の私立高校に通う私は3年目で顔馴染みの増えたクラス分け表をカバンにしまった。
……あの人も同じクラスだったな。
きっともう覚えてないだろう、あの夜のこと。
いや、忘れててくれないと困るんだけどさ。
一ノ瀬 旺太。
名字がア行で名前順の表の1番上に登場した彼の名前は嫌でも目に入った。
はじめてのパパ活で騙されてホテルに連れ込まれかけたあの夜
私を助けてくれた、金髪の彼。
一ノ瀬旺太くんはこの学校でだいぶ名の知れた存在だった。