野良狼と野良少女


「中学の時は今より尖ってたな、コンビニにいたアイツらもその頃のツレ」




思い出すのは虹より八色のいいカラフル頭にじゃらじゃらのピアス…




あんないかついの周りに連れ歩いてたの…!?


想像するだけで恐ろしい、そんな中学生は嫌だ。




「俺の場合お前と違って噂0.5割くらいは合ってんだよ」


「え…3秒見つめ合うと石になるってやつ」


「んなわけねぇだろバカ。どう考えてもそれは残りの9.5割だろ。何でよりによってそれ選んだんだ」




そんなわけないとは思ったからそれにしたんだ。


だってほかの噂は全部信じたくなければ口にしたくないような危なそうな言葉ばっかりで…




「絡んできた先輩ボコボコにして病院送りにした」


「っ、うぇ…?」





ぽかんとして開いた口から漏れたのは間抜けな声だった。




よりによってそれかよって、今度は私が思う番。




「はぁ…だから、0.5割っつったろ。殴ったのは本当だけどボコボコにしたは言い過ぎ。病院送りにもなってない」




ただちょっとムカついたから1発殴っただけ、なんてため息をつく一ノ瀬くん。





1発でも問題では…?なんて顔で見るとあの時はまだちょっとだけ尖りが残ってた、なんて濁された。


どうやら一ノ瀬くんにとってもあんまり口にしたくない過去だったらしい。




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