野良狼と野良少女
第二章
鱚
【羅奈side】
「――みぽん…あみぽんってば」
あぁ、寒いな。
まだ朝なのか、眩しい光に目が全く開かない。
ていうかなんか今日、抱き枕かたくない?
私の抱き枕は大きなサメのぬいぐるみだ。かたいわけがない。
それになんかいつもよりでかいような…
「あみぽん!旺太!いい加減起きてよ人の家で何してんのさ!」
「…ん」
大きな声に重たい瞼をゆっくり持ち上げると、視界は7割真っ黄色だった。
というか、金…
「……ぅえ?」
目を開けて確認すると、なんとびっくり。
いやビックリどころじゃないよ。
開いた口が塞がらないってこういうこと――
「…っわ、え、お…!」
自分の置かれている状況に慌てて飛び起きて慌てて後ずさり。
そのままガンッと壁に頭が激突すれば結構な頭痛が走った。