野良狼と野良少女
「あーみーぽん、ひとりの世界トリップしないで」
「…ん、ごめんね一葉ちゃん」
寝起きだからかまだぽーっとする目で一葉ちゃんを捉える。
なんだかいつもより輪郭がぽわぽわしてる気がする。
なんだかうっすら天使の羽まで見えてきた気がする。多分気のせい。
「あみぽん寝ぼけてる?昨日結局何時に寝たのさ、旺太とあみぽん。あれれ、もしかして聞かない方がいい?」
一葉ちゃんはにやにやしながら私たち二人の顔を見比べる。
「な、なんにもないよ。2人が寝て割とすぐ寝た…!」
「へぇ、何にもねぇ。キスの1つや2つしたのかと思ったけど」
「キっ……!!」
一気に顔に熱が集まった気がした。
だめだよ動揺しちゃ、一葉ちゃんだって冗談で言ったに決まって…
『…へぇ、ムカつく』
フラッシュバックする昨日の一ノ瀬くんのせいで更に顔の熱が上がった気がする。
消えろ!!残影…!!!