野良狼と野良少女
「やばっ、もうこんな時間じゃん!旺太以外お風呂入ってないんだからさっさとしないと遅刻する」
「太一〜あたし今日学校パス」
「バカ、ニートに逆戻りする気か!そろそろ留年考えろ!」
「あみぽん先にシャワー浴びといで、あたしの着替え置いとくから」
なんてぎゃーぎゃー騒がしい双子は着替えを取りにそれぞれの部屋に帰ったのだった。
お言葉に甘えてシャワー浴びさせてもらおう。
何よりもこの状況でこの空間、一ノ瀬くんと2人きりはちょっと勘弁して欲しい。
「言っとくけど、俺に抱きついたまま寝たのお前だからな」
「…っえ、そんなわけな」
「座ったまま寝てたから声掛けてやったら俺の裾ガッチリ掴んで寝落ちた」
何を言われても記憶が一切なくて自分にびっくりする。
なんて失態を…!
「お、起こしてよ…!」
「起きなかったんだっつの。」
自分に全く記憶がないけど、とりあえず恥ずかしくて消えたかった。
だって一ノ瀬くんがそんなくだらない嘘つくわけないもん。
絶対抱き枕と間違えたんだ。
間違えるわけない大きさと固さだったけど、寝ぼけてたんだよ絶対。
あぁ、やらかしてしまった…
穴があったら入りたいとはこのことだろう。