この初恋に、ピリオドを
総司は深く頭を下げた後、処置室の中へと入る。これから大切なことを伝えなくてはならないのだ。本当は言いたくない。このままでいたい。だが、伝えたくてはならないのだ。心春のためにも、自分のためにも……。
「心春さん」
ベッドに横になっている心春に声をかける。頭に包帯を巻かれた心春は、チラリと総司を見た後、「申し訳ありません」と言う。この声と顔に感情はない。
「脳などに異常はないそうです」
そう言い、総司は枕元に置かれた椅子に座る。ドクドクと心臓が早まっている。緊張と、心春に対する恋愛感情が混じっている。総司はゆっくりと口を開いた。
「僕たち、結婚するのはやめましょう」
泣かないように笑顔を浮かべ、総司は言う。心春の表情が一瞬にして変わった。何を言われたのかわからないと言いたげな表情だ。初めて変わった表情に、総司はどこか嬉しくなってしまう。
「僕にはあなたを幸せにすることはできない。きっとあなたを傷付けてしまう。だから、もう終わりにしましょう。あなたはもう、自由だ」
「心春さん」
ベッドに横になっている心春に声をかける。頭に包帯を巻かれた心春は、チラリと総司を見た後、「申し訳ありません」と言う。この声と顔に感情はない。
「脳などに異常はないそうです」
そう言い、総司は枕元に置かれた椅子に座る。ドクドクと心臓が早まっている。緊張と、心春に対する恋愛感情が混じっている。総司はゆっくりと口を開いた。
「僕たち、結婚するのはやめましょう」
泣かないように笑顔を浮かべ、総司は言う。心春の表情が一瞬にして変わった。何を言われたのかわからないと言いたげな表情だ。初めて変わった表情に、総司はどこか嬉しくなってしまう。
「僕にはあなたを幸せにすることはできない。きっとあなたを傷付けてしまう。だから、もう終わりにしましょう。あなたはもう、自由だ」