この初恋に、ピリオドを
「ぼ、僕は唐揚げが好き!本を読むのも好き!ゲームをするのも好き!」

お互いに好きなこと、嫌いなことを話していく。得意な教科、してみたいこと、将来の夢の話もした。

「僕、将来は警察官になりたいんだ。警察官になってお母さんたちを守りたい!」

将来何になりたいのか、今まで誰にも話したことがなかった。人とうまく話せない自分が人を守れるのかと心のどこかでは考え、口にすることができなかったのだ。ただ、心春にだけは話すことができた。

「警察官?とっても素敵な夢だね!私たちを守ってね!」

心春は馬鹿にすることなく優しい笑みを浮かべていた。そして後日、手作りのネックレスをくれたのだ。

「総ちゃん!これ私が作ったの。あげるね。総ちゃんの夢が叶いますようにって願いを込めたのよ」

青いバースがたくさん使われた手作りのネックレスは、まだ体の小さい八歳の子どもには大きすぎるほどのサイズだった。だが、このプレゼントを貰った時、高鳴るこの感情の名前を総司は知った。
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