私が欲しいのは、青い春のその先
「恋の悩み……、先生も一応大人です!それなりに恋愛ドラマや恋愛小説などを観たり読んだりしてきたつもりです」
「え?」
「先生も微力ながら一緒に考えます。悩み事はつらいですしね」
(何を言っているんだろう、この人は)
「先生、恋人とかいないんですか?」
気づけばずっと聞きたくてたまらなかった質問を、何の躊躇もなく、冷めたテンションで聞いていた。
「え?いやー、いない、ですね」
(素直だな!)
「『一応、大人』なのに?」
「うーん、そうですね。まぁ、先生のことはいいじゃないですか」
と、沢渡先生はほのかに赤くなった。
(シャイボーイだな!)
心のツッコミが止まらない。
そうなってくると、告白も出来ない自分に悩んでいたことなんて、どうでもいい気がしてきた。
(そうだよ)
今、告白は出来ないかもしれないけど。
ずっと先生を好きな気持ちは変わらない。
それなら……。