私が欲しいのは、青い春のその先
「明日も言ってくれますか?ボクが好きだって」
「明日?」
「……つまり、お酒が入っていない時ってことです」
「酔ってないですっ」
私は思わず笑った。
だけどすぐに、真っ赤になってヒザから力が抜けてしまうことになる。
だって先生が耳元でこう言ったから。
「そしたら『結婚しよう』って、堂々と言えますから」
案の定、その場にしゃがみ込んで私は言う。
「……先生、予想外ですっ!」
「あれ、さすがに早いでしょうか?」
「いや、嬉しいですけどっ」
「ボクは今日のような『明日』をずいぶん待ちましたよ」
そう言って笑う先生の顔は、真っ赤だけど穏やかで、美しかった。
……ずっと欲しかった。
私も待ってたんだ。
青い春のその先にある、『明日』を。
ーー完ーー