私が欲しいのは、青い春のその先
二年生
二年生になって良かったことと、悪かったことがある。
良かったこと。
それは、沢渡先生の受け持つクラスに私の名前があったこと。
先生がクラス担任だとわかった瞬間、嬉しすぎて全身に鳥肌が立った。
悪かったこと。
私が二年生になったということは、沢渡先生も「先生二年生」になったわけで。
そうすると、この学校でも沢渡先生の認知度は高くなる。
……つまり、沢渡先生のイケメンが浸透しちゃって、先生は人気者になってしまった。
「ライバルばっかりじゃんよ〜」
愚痴っていると、友達のなっちゃんが「よしよし」と慰めてくれる。
「みんなキャーキャー言いたいだけだって。真剣な気持ちを持って沢渡先生を見ているのって一部だよ」
「その一部が、結構な人数だってぇ〜」
なっちゃんは「よしよしよしっ」と、私の頭を撫でる。
「春香ちゃんは学級委員だもん。今日の放課後だって先生にお手伝いを頼まれてたじゃん!どの生徒より沢渡先生に近いって」
なっちゃんにうなずき、
「うん、私、学級委員だけは本当頑張る。不純な動機だけど、頑張る!先生の役に立ちたい!!」
と、ようやく元気を取り戻した。