私が欲しいのは、青い春のその先
放課後。
職員室に行って、沢渡先生を呼んだ。
「あぁ、黒崎さん。来てくれて助かりました。教室に行きましょうか、プリントをまとめたいんです」
沢渡先生はニコニコと言って、いくつかの荷物を持って廊下を歩き出した。
先生の隣を歩いて、
「沢渡先生、プリントを持ちます」
と言うと、
「あ、じゃあ、お願いします」
と、先生は足を止めた。
文房具などが入った箱を下ろして、丸めた大きな色紙も一旦廊下に下ろした先生は、器用に持っていたプリントを二つに分けて私に差し出した。
「重くないですか?」
先生は少し心配そう。
「沢渡先生、プリント半分くらい大丈夫です!ってか、先生のほうがまだ荷物いっぱいだし!残りのプリントも私が持ちますよ」
「いやいや、それは大丈夫です」
いや、プリントくらい持てるよ。
私も先生の役に立ちたいんだもん。
「……女の子に荷物を持たせるなんて、ボクが大丈夫じゃないですから」
「え?」