課長に恋するまで
「大学からの付き合いの友人です。結婚が決まった友だちがいるって話を前に課長にしたと思うんですが、その子です」
本社に来たばかりの時に聞いた話だ。確か毎週末一緒に合コンに行っていた友達の結婚が決まったと言っていた。
「紀子って言うんですけど、明るい子で、引っ込み思案の私を合コンによく誘ってくれたんです。一緒に幸せになろうって言ってくれて、一年ぐらい婚活を一緒にしてた友だちなんです」
はあっと気持ちを抑えるように一瀬君が息を吐く。
「結婚が決まって、これからって時にあの子、ガンが見つかちゃって、若いから進行が早くて、先週会った時は別人みたいに痩せてて、本当にあっという間に……」
一瀬君が声を詰まらせた。
なんて痛ましい話なのか。これから幸せな時を迎えるというのに。
直接知らない僕が聞いて胸が痛くなるのだから、一瀬君の悲しみは言葉では言い表せない程だろう。
一体いつから友人の病を知っていたんだろう。
悲しい想いに堪えていたんだと思ったら、胸が締め付けられた。
本社に来たばかりの時に聞いた話だ。確か毎週末一緒に合コンに行っていた友達の結婚が決まったと言っていた。
「紀子って言うんですけど、明るい子で、引っ込み思案の私を合コンによく誘ってくれたんです。一緒に幸せになろうって言ってくれて、一年ぐらい婚活を一緒にしてた友だちなんです」
はあっと気持ちを抑えるように一瀬君が息を吐く。
「結婚が決まって、これからって時にあの子、ガンが見つかちゃって、若いから進行が早くて、先週会った時は別人みたいに痩せてて、本当にあっという間に……」
一瀬君が声を詰まらせた。
なんて痛ましい話なのか。これから幸せな時を迎えるというのに。
直接知らない僕が聞いて胸が痛くなるのだから、一瀬君の悲しみは言葉では言い表せない程だろう。
一体いつから友人の病を知っていたんだろう。
悲しい想いに堪えていたんだと思ったら、胸が締め付けられた。