課長に恋するまで

ダメな恋

 ゴールデンウィーク明けの月曜日。

 課長は香港のアパレルブランドとの契約の為2泊3日の出張でいなかった。
 帰ってくるのは木曜日。
 
 課長に会えなくて寂しい。
 昨日会ったばかりなのに、もう課長の顔が見たい。

 私はどうしちゃったんだろう。

 ため息をついていると、石上にため息なんかついてる暇はないぞと言われた。
 その通りで休み明けは仕事がたまっている。

 午前中は問い合わせの電話とメールの対応に追われ、あっという間に昼休みになった。

 お弁当を持って休憩室に行くと、珍しく鈴木さんがコンビニ弁当を食べている。
 普段は手作りのお弁当なのに。

「お疲れ様です」

 鈴木さんの隣に座った。

「一瀬ちゃん、お疲れ。休み明けは疲れるよね」
「体がついていかないです」
「わかるわ」

 明るく笑う鈴木さんだけど、なんか無理しているような。

「もう朝からトラブルばっかり。バンバン電話かかって来たわー」
「私も電話が多かったです」
「ねえ、一瀬ちゃん、今夜二人で飲みに行かない?」
「お子さん大丈夫なんですか?」
「今日はおばあちゃんが見てくれてるの。だから、行こうよー。休み明けの憂さ晴らししよー」

 いつもの鈴木さんらしくないような気がする。

 鈴木さん、何かあったのかな?
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