課長に恋するまで
「そんなに怖い顔で睨まないで。可愛い顔が台無しよ」

 ゆかりさんがクスクスと笑った。

「帰ります。昨日の代金いくらですか?」
「上村さんにつけてあるから気にしないで」
「そういう訳には行きませんから」
「じゃあ、百万」

 驚いてゆかりさんを見るとまた笑われた。

「冗談よ。最初は紹介していただいた会員の方に払って頂く規則なの。だから美月ちゃんは払えないのよ。二度目にいらした時には請求させていただきます。またのご来店をお待ちしております」

 ゆかりさんが営業スマイルを浮かべた。
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