課長に恋するまで
道を少しだけ間違え、目的の場所にようやく到着した。
そこは店舗になってて、ガラス越しに課長の姿が見えた。
課長の周りには十人ぐらいの人たちがいて、立って話をしていた。
みんな出店準備に関わる人たちなんだろうか。
外から見ていると、課長と目が合う。
課長の右手が、おいで、おいでと言うように動いた。
不安な気持ちを抱えたまま、お店の中に入った。
「待ってたよ。一瀬君」
課長は紺色のすっきりとしたペンシルストライプが入るスーツを着ていた。昨夜見た、明るいグレーのスーツも素敵だったけど、今日のもよく似合う。
課長が素敵過ぎて頭の中が一瞬、ふわっとした。
いけない。仕事で来てるんだ。
横暴な業務について課長に言ってやらなきゃ。
「課長、お話があるのですが」
「その前に紹介させて下さい」
みんなの前に連れて行かれる。
そして、その場にいた人たちと名刺交換をする事になった。
うちの不動産部の人間に、レイ・リーの主任デザイナーに、建築士に、広告代理店の人に……と、普段仕事では関わらない人たちばかりだった。
私が社外で関わるのは国内のアパレルメーカーとアパレル素材を扱うメーカーの人ぐらいだ。
「出店は九月の予定になります。皆さん、一瀬君がこのプロジェクトのリーダーになりますのでよろしくお願いいたします」
課長が最後に言った。
えー!
いや、課長、私はまだ承諾してませんけど……とは、言える雰囲気ではない。
課長っていじわるだ。
そこは店舗になってて、ガラス越しに課長の姿が見えた。
課長の周りには十人ぐらいの人たちがいて、立って話をしていた。
みんな出店準備に関わる人たちなんだろうか。
外から見ていると、課長と目が合う。
課長の右手が、おいで、おいでと言うように動いた。
不安な気持ちを抱えたまま、お店の中に入った。
「待ってたよ。一瀬君」
課長は紺色のすっきりとしたペンシルストライプが入るスーツを着ていた。昨夜見た、明るいグレーのスーツも素敵だったけど、今日のもよく似合う。
課長が素敵過ぎて頭の中が一瞬、ふわっとした。
いけない。仕事で来てるんだ。
横暴な業務について課長に言ってやらなきゃ。
「課長、お話があるのですが」
「その前に紹介させて下さい」
みんなの前に連れて行かれる。
そして、その場にいた人たちと名刺交換をする事になった。
うちの不動産部の人間に、レイ・リーの主任デザイナーに、建築士に、広告代理店の人に……と、普段仕事では関わらない人たちばかりだった。
私が社外で関わるのは国内のアパレルメーカーとアパレル素材を扱うメーカーの人ぐらいだ。
「出店は九月の予定になります。皆さん、一瀬君がこのプロジェクトのリーダーになりますのでよろしくお願いいたします」
課長が最後に言った。
えー!
いや、課長、私はまだ承諾してませんけど……とは、言える雰囲気ではない。
課長っていじわるだ。