課長に恋するまで
 セルフ式のカフェで、レジで飲み物を買って、課長と二階の窓側のテーブル席に座った。

 テーブルは二人用の丸いテーブルで、外の景色が見えるように窓に面して設置してあった。そしてテーブルの前にはオレンジ色の革張りのラブチェアーがあった。

 空いていたからその場所を選んだけど、カップルシートみたいな場所だって座ってみて気づく。
 右隣に座った課長との距離が思ったよりも近い。なんか課長からいい匂いがしてきて、ドキドキする。

「どうぞ」

 課長に買ってもらったコーヒーを勧められた。

「いただきます」

 気を落ち着けるようにコーヒーを飲んだ。
 香ばしい匂いと、苦味に癒される。
 普段、会社で飲んでるコーヒーよりも酸味が強くて、疲れた脳に心地良い刺激をくれた。

「昨夜はゆかりちゃんと話せましたか?」

 コーヒーカップを持ちながら課長がこっちを見た。
 まず、その事を謝らなければ。
 コーヒーカップを置いて、課長の方を見た。

「昨日は本当にご迷惑をおかけしました」
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