課長に恋するまで
 オフィスに戻ると、石上に顔が死んでると言われた。

 連日、残業だ。

 帰った後も、お勉強しなきゃいけない事が沢山あって、睡眠時間も削ってる。
 今の所、土日のどっちかは休めてるけど、外に出る気力もなくて、丸一日寝てる。
 平野さんにデートに誘われてるけど、毎週断る事になって申し訳ない。
 
 課長が石上より人使いが荒いなんて知らなかった。
 石上と違って、課長は言い方はソフトだけど頼んでくる仕事量が倍以上だった。

 何が、僕の補佐をしてくれればいいだ。ほとんど任せてるじゃないか。

 と、言いたくもなるけど、課長は私以上に仕事を抱えてて、大変なのがわかるからそんな事は言えない。

 それに忙しい事を楽しんでて、いつも余裕で、堂々としてて、輝いてて、なんかカッコイイフェロモンが出まくってる。

 課長をそういう目で見ないようにしてるのに、すぐ心がぐらつく。

 大変な事まみれだけど、前よりも課長と仕事で関わる事が出来て、幸せでもあった。
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