課長に恋するまで
金曜日の午後、ゆかりちゃんから電話がかかって来た。
一瀬君と一緒に会議に出ていて、休憩時間に廊下に出て、折り返した。
「上村さん、お仕事中にごめんなさい」
申し訳なさそうなゆかりちゃんの声がした。
「大丈夫だよ。明日のパーティーの事?」
「実は盲腸になって、今入院してるの」
「盲腸!大丈夫?」
「痛み止めが効いて、今は落ち着いてます。でも、手術しなきゃいけないって言われてて、明日が手術になっちゃったんです」
ゆかりちゃんが泣きそうな声で言った。
「本当にごめんなさい。パーティーにせっかく誘って頂いたのに」
「ゆかりちゃん、こっちは大丈夫だから気にしないで下さい。無理はしないで、しっかりお医者さんの言う事を聞いて、手術受けるんだよ。元気になったらお店にまた行くから」
「上村さん、ありがとう」
ゆかりちゃんが涙声で言った。
電話を切り、どうしたものかと思案した。
課の女子社員に声を掛けてみるか。
例えば間宮君なら喜びそうだ。
でも、でも……。
一緒に行きたい相手は……
「課長、会議始まります」
一瀬君が呼びに来た。
「一瀬君、明日の夜、空いてますか?」
顔を見た瞬間、自然と口が動いた。
一瀬君と一緒に会議に出ていて、休憩時間に廊下に出て、折り返した。
「上村さん、お仕事中にごめんなさい」
申し訳なさそうなゆかりちゃんの声がした。
「大丈夫だよ。明日のパーティーの事?」
「実は盲腸になって、今入院してるの」
「盲腸!大丈夫?」
「痛み止めが効いて、今は落ち着いてます。でも、手術しなきゃいけないって言われてて、明日が手術になっちゃったんです」
ゆかりちゃんが泣きそうな声で言った。
「本当にごめんなさい。パーティーにせっかく誘って頂いたのに」
「ゆかりちゃん、こっちは大丈夫だから気にしないで下さい。無理はしないで、しっかりお医者さんの言う事を聞いて、手術受けるんだよ。元気になったらお店にまた行くから」
「上村さん、ありがとう」
ゆかりちゃんが涙声で言った。
電話を切り、どうしたものかと思案した。
課の女子社員に声を掛けてみるか。
例えば間宮君なら喜びそうだ。
でも、でも……。
一緒に行きたい相手は……
「課長、会議始まります」
一瀬君が呼びに来た。
「一瀬君、明日の夜、空いてますか?」
顔を見た瞬間、自然と口が動いた。