課長に恋するまで
 一瀬君と洋館の中に入り、受付を済ませ、主催者である紡績メーカーの社長にご挨拶をした。

「上村さん、今夜はお美しい方をお連れですね」
 
社長は気さくな方で、会社にお邪魔すると、いつも声をかけて頂いている。

「上村の部下の一瀬です。今、レイ・リーブランドの出店に関わっております。今夜はお招きありがとうございます」

 一瀬君が社長に挨拶をする。
 堂々と社長に挨拶する一瀬君が頼もしく見える。

「美しくて、やり手の部下をお持ちで上村さんが羨ましいですな」

 社長の言葉に恥ずかしそうに微笑む一瀬君が可憐だった。
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