課長に恋するまで
「どうしたの?」

 抱き着いたまま、泣きじゃくる一瀬君を見た。

「ごめんなさい。急に変ですよね。今日はみんなにお酒を注いでもらって、よくやったって褒めてもらって、幸せなはずなのに……」

「一瀬君……」

「会社を辞めるって思ったら急になんか、なんか……」

 え?

「辞めるって?」

「結婚するんです。彼にプロポーズしてもらいました」

 間宮君の話は本当だったんだ。
 胸が締め付けられた。
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