課長に恋するまで
 聡さんにレイ・リーの店が見たいと言われ、カフェを出て案内した。
 カフェを出ると、聡さんと手をつないで通りを歩いた。
 
 聡さんの手は課長の手より硬く感じた。
 課長の手よりも骨ばってるのかもしれない。
 課長の手はつないだ瞬間から優しい感じがして、ぴったりと合ったけど、聡さんの手には違和感があった。

 どうしてだろう。

 聡さんはとってもいい人なのに。
 楽しい話題を振って、笑わせてくれるのに。
 私の事を好きでいてくれるのに。

 聡さんと話しながら、どんどん気持ちが落ち込んでくる。
< 219 / 247 >

この作品をシェア

pagetop