課長に恋するまで
 銀座のシティホテルにチェックインした。

 部屋に入ると聡さんに抱きしめられた。
 それからキス……。
 軽く触れるだけのキスから深いものになっていく。

 そんな風に男の人に求められたのは初めてで、為すがままになっていた。
 整髪料とコロンの混じった聡さんの匂いがする。
 その匂いが少し不快に感じて、唇を放した。

「嫌だった?」

 聡さんが心配そうに見てくる。

「あの、シャワーを」
「そうだね」

 逃げるようにバスルームに駆け込んだ。
< 225 / 247 >

この作品をシェア

pagetop