課長に恋するまで
「……みーちゃん」

 ドア越しに聡さんの声がした。

「大丈夫?もう一時間以上経つよ」

 そんなに時間が経ってるのもわからない程、混乱してた。
 頭を抱えてずっと泣いてた。

「……ごめんなさい。やっぱり無理です」
 涙声で言った。

「……好きな人がいるから?」

 核心を突かれて言葉が出ない。

「隠さないでよ。正直に言って欲しい。僕はずっと感じてたよ。みーちゃんが僕以外の人を見てるって」

 沈んだ聡さんの声が響いた。

「ごめんなさい」

「そのごめんは好きな人がいるって認めるって事?」

「……はい」
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