課長に恋するまで

衝撃的な朝と頭痛薬

 12月。

 夜の銀座はシャンパンゴールドのイルミネーションで染まっている。
 華やかな街だ。

 並木道りでタクシーを降りて、高級クラブが入るビルに入る。
 目当てのクラブは七階に入っていた。
 エレベーターに乗り込み、息をついた。

 今夜は香川専務の付き合いだ。
 香川専務とは同期入社で、入社した頃は同じ部署に配属された。
 仕事ができて、社内政治もそつなくこなす器用な男だ。
 
 香川が専務になったのは今年の春だった。
 社長交代の人事に伴い、香川も本部長から一気に専務に昇格した。

 俺は必ず出世する。
 そう二十年前に言った通り、香川は出世した。

 そしてこちらにも声が掛かった。

「上村、お前が必要なんだ。本社に来い」

 香川にそう言われ、迷ったが誘いに乗った。
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