課長に恋するまで
「課長、好きです」

 一瀬君に言われた。

「え」

「好きなんです」

 泣きそうな顔で言われる。

「いや、一瀬君」

「好きなんです」

 一瀬君が抱き着いてくる。
 いきなりの展開についていけない。

「一瀬君、どうしたの?」

 切なそうな表情を浮かべて、一瀬君が見つめてくる。

「好きなんです」
 
 一生懸命な表情を浮かべる、一瀬君に胸が締め付けられる。

「一瀬君……」
 一瀬君を抱きしめ、そのままキスをした。
 
 遠くで目覚ましアラームが鳴っている。

 これは夢か。
 そうだ。夢だ。

 夢に違いない。目を覚ませ!
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