課長に恋するまで
 一度家に帰って、出社した。

 今日は金曜日。あと一日残ってる。

 東京に来て今朝が一番衝撃的な朝だったかもしれない。
 よく考えたら、ゆかりちゃんも一瀬君と同じ年だった。

 娘とそう年の変わらない女の子とホテルに泊まるなんて。

 我ながら、情けない。
 しかも記憶が曖昧だ。

 何もなかったから良かったが。

 だが、久しぶりに人肌の温もりを感じて眠った。
 心地よかったのは確かだ。

 寂しい。

 そう思う気持ちをいつからか、押し込めてた気がする。

 けれどもう一度、恋をする程、若くはない。

 ――課長、好きです。

 夢の中で言われた言葉を思い出す。
 あんな夢を見てしまうなんて、一瀬君に申し訳ないな。
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