課長に恋するまで
一瀬君はあんず酒を美味しそうな顔をして飲んでいた。
「美味しそうな顔をしますね」
思わずそんな言葉が漏れた。
「え」
一瀬君がこちらに視線を向けた。
「お昼も美味しそうな顔できんぴらごぼう食べてましたね」
「……食いしん坊なんです」
色白の頬が恥ずかしそうにピンク色に染まる。
「つまり、食べる事ぐらいしか楽しみがないんですけどね」
ふふっと笑った表情はアルコールのせいか、普段より表情が柔らかい。
そんな一瀬君を見て、やっぱり彼女は綺麗な顔立ちをしていると思った。
「そうだ、課長」
一瀬君の声のトーンが上がる。
「昼間の話の続きなんですが、あの、ネクタイの事で」
「ネクタイ?」
「間宮が初日にそのネクタイ付けてませんでしたかって聞いた話です」
一瀬君の視線が僕の首の辺りに向けられる。
「ああ、あの話ですか」
本社初日に遭遇した印象深い出来事を話そうと思ったら電話がかかって来て、まだ話していなかった。
「美味しそうな顔をしますね」
思わずそんな言葉が漏れた。
「え」
一瀬君がこちらに視線を向けた。
「お昼も美味しそうな顔できんぴらごぼう食べてましたね」
「……食いしん坊なんです」
色白の頬が恥ずかしそうにピンク色に染まる。
「つまり、食べる事ぐらいしか楽しみがないんですけどね」
ふふっと笑った表情はアルコールのせいか、普段より表情が柔らかい。
そんな一瀬君を見て、やっぱり彼女は綺麗な顔立ちをしていると思った。
「そうだ、課長」
一瀬君の声のトーンが上がる。
「昼間の話の続きなんですが、あの、ネクタイの事で」
「ネクタイ?」
「間宮が初日にそのネクタイ付けてませんでしたかって聞いた話です」
一瀬君の視線が僕の首の辺りに向けられる。
「ああ、あの話ですか」
本社初日に遭遇した印象深い出来事を話そうと思ったら電話がかかって来て、まだ話していなかった。