扇くん、要注意報!
なーんて言っていたら、いつの間にか時間が経っていたようで。
“苺、髪のセットするから早く来て!2-1、出番ラストらしいよ?
とにかく、今日は頑張ろう〜!”
咲からのメッセージにまたひとつ深呼吸。
「緊張って言葉知らなそう」とクラスメイトに言われるけれど、人並みに緊張はしてる。
おかげで朝ごはんはプチトマト一つだけ。
そういえば扇くんに今日来てってメッセージ送ったけど、来てくれるかな...
数日前までは無かった連絡先が一番上にある。
毎日のように来てほしくないのももちろんあるだろうけど、またなにかあったらの時に教えてくれたんだと思う。
なんだかんだ言って来てくれるような気がするんだよ、君は
そんな勘は当たったのか当たっていないのか、考える暇すら無くなってしまったのは、学校の門をくぐる前のことだった。