扇くん、要注意報!
後ろの席からでは見えないタトゥーが特攻服から覗いている。
コワ、こわ、怖いな...?
私にガキだと毒を吐くのも少しうなずけた。高校一年生には見えないもの。
「担任から電話が来た。クラスメイトが俺に話があるって」
...へえ、電話、受けるんだ?意外過ぎる
誰からの連絡も無視するってわけじゃないってこと?
気に入らない相手から電話がきたら、スマホごと折れないところ折って捨てそうなのに。
私は、扇くんのことを半分くらい誤解しているかもしれない。
誰とも繋がりを持ちたくないんだと思っていた彼は、担任の先生からの電話にでる。
さすがに家は知らないだろうからって、見に来てくれたのかもしれない。
まず、学校辞めてないんだし
暴走族で、総長で、優しさ常備.....興味湧く!
イコール、仲良くなれたら楽しそう!
「はじめまして扇くん!クラスメイトで扇くんの後ろの席にいる、仁科 苺です!」
「...ナニコレ」
「お菓子です、美味しいのでぜひ!」