星の降る夜、音のない世界で、君の声を
「……ジロジロ人の顔見んなよ、……だから女子は嫌なんだよ」
彼は、私の視線を、ジロリと睨みながら、言葉を吐き捨てた。
「な、何なのよ、ちょっと綺麗な顔してるからって、自惚れ過ぎでしょ!あなたなんて、タイプじゃないし!」
生まれつきこんな綺麗な顔して生まれた、自信満々の恵まれてるヤツに、私の気持ちなんて一生わからない。語気を強めて、言い返した私を、あっそ、と面倒臭そうに一瞥すると、彼は再び視線を下に落とした。
「やな感じ!」
聞こえる様に発した声は、彼に聞こえてるはずなのに、彼は表情一つ変えることも、答えることもなく、黙々と本に視線を流している。
「……何とかいいなさいよ」
「…………」
今度は完全無視だ。ほんと、やな感じ。
食欲をそそられて、買った焼肉弁当だったが、食欲どころか、腹が立って、私は、味わうことなく、あっという間に平らげる。
これじゃあ、やけ食いだ。平らげてやったと言った方が、あってるかもしれない。