愛のかたち
今日もいつものところだろう。
いつものところ、というのは、翔の幼馴染みの伊藤健太が営んでいる『居酒屋いとう家』のことだ。最近はもっぱら『いとう家』なのだ。幼馴染みの健太だから受け入れてくれる。というのも、ここ数ヶ月で、翔が出入り禁止になった飲み屋がいくつもあるらしい。それは翔本人から聞いた訳ではなく、健太がこっそり教えてくれたことだった。
理由は、翔の酒癖の悪さだという。飲み過ぎて客に絡むことが頻繁にあったらしいが、そんな姿を彩華が目にしたことは今まで一度もなく、健太から聞いた時は、にわかには信じがたかった。
以前はきれいにお酒を飲むタイプだった翔だが、仕事が忙しくなり始めた頃から急に酒量が増え、酒癖の悪さが目立つようになってきたようだ。ストレスが原因なのだろうか。
心配した彩華は、さりげなく「家飲みすればゆっくり出来るのに」と言ったこともあった。自分には取り柄がない、と思っていた彩華だったが、料理の腕には自信があったのだ。しかし、酒を飲まない彩華相手だとつまらないのか、翔が家で飲むことは殆どなかった。
そして翔の帰りが遅くなる度に、また何処かの店で客に絡んではいないだろうかと、彩華は冷や冷やするのだった。
いつものところ、というのは、翔の幼馴染みの伊藤健太が営んでいる『居酒屋いとう家』のことだ。最近はもっぱら『いとう家』なのだ。幼馴染みの健太だから受け入れてくれる。というのも、ここ数ヶ月で、翔が出入り禁止になった飲み屋がいくつもあるらしい。それは翔本人から聞いた訳ではなく、健太がこっそり教えてくれたことだった。
理由は、翔の酒癖の悪さだという。飲み過ぎて客に絡むことが頻繁にあったらしいが、そんな姿を彩華が目にしたことは今まで一度もなく、健太から聞いた時は、にわかには信じがたかった。
以前はきれいにお酒を飲むタイプだった翔だが、仕事が忙しくなり始めた頃から急に酒量が増え、酒癖の悪さが目立つようになってきたようだ。ストレスが原因なのだろうか。
心配した彩華は、さりげなく「家飲みすればゆっくり出来るのに」と言ったこともあった。自分には取り柄がない、と思っていた彩華だったが、料理の腕には自信があったのだ。しかし、酒を飲まない彩華相手だとつまらないのか、翔が家で飲むことは殆どなかった。
そして翔の帰りが遅くなる度に、また何処かの店で客に絡んではいないだろうかと、彩華は冷や冷やするのだった。