あの頃からあなただけが好きでした
マリオン24歳①
また夢を見た。
何度も何度も見てしまう夢を見た。
年々、その回数は減っているけれど。
彼の夢を見て目覚めると、いつも私は涙を流している。
もう6年も経つのに、私は涙を流している。
今夜は大学の頃のルームメイトのクレアと約束
をしている。
彼女は大学を卒業すると、私の故郷のコーカスで仕事に就いた。
コーカス出身の私が王都で職を得て、王都育ちのクレアがコーカスで働く事が決まって、私達はお互いの運命に笑った。
そして卒業してもまた会おうね、と約束した。
それが今夜だ。
仕事を早めに終えて、デスクを片付けて帰ろうとしたら、隣の研究室のスコットがやって来た。
彼とは大学の頃からの付き合いで、お互いに遠慮がない。
ジロジロ見られてズバズバ質問された。
「何で今日は女してるの?」
「女してる、って何?」
「何か服装が……フワフワしてる」
「……人に会うのよ」
「だからかー、誰と会うの? 男と?」
「うるさいよ、女よ。
ルームメートだったクレア・バルモア、覚えてない?」
何度も何度も見てしまう夢を見た。
年々、その回数は減っているけれど。
彼の夢を見て目覚めると、いつも私は涙を流している。
もう6年も経つのに、私は涙を流している。
今夜は大学の頃のルームメイトのクレアと約束
をしている。
彼女は大学を卒業すると、私の故郷のコーカスで仕事に就いた。
コーカス出身の私が王都で職を得て、王都育ちのクレアがコーカスで働く事が決まって、私達はお互いの運命に笑った。
そして卒業してもまた会おうね、と約束した。
それが今夜だ。
仕事を早めに終えて、デスクを片付けて帰ろうとしたら、隣の研究室のスコットがやって来た。
彼とは大学の頃からの付き合いで、お互いに遠慮がない。
ジロジロ見られてズバズバ質問された。
「何で今日は女してるの?」
「女してる、って何?」
「何か服装が……フワフワしてる」
「……人に会うのよ」
「だからかー、誰と会うの? 男と?」
「うるさいよ、女よ。
ルームメートだったクレア・バルモア、覚えてない?」
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