あの頃からあなただけが好きでした
マリオン24歳⑧
「過保護なお兄ちゃんは、許さないからな」
朝の挨拶もそこそこに、会うなりスコットに言われて、呆気に取られた。
お兄ちゃん?
「あの男だよ、アレのあれ!
全部言わせるなよ、わかるだろ?」
「あれの事はわかるけど。
過保護なお兄ちゃんて、貴方?
貴方は手のかかる弟なのに、何言ってるの」
「……」
「一番上がブレナー、二番目が私。
スコットが甘えん坊の末っ子ね」
「……そんな事はどうでもいいんだよ、とにかく俺は許しません、だから。
アイツは止めとけ、って言ってるの」
すると、ずっと黙って私達のやり取りを見ていたブレナーが、隣の席からスコットの両肩を掴んだ。
「相変わらず順序をすっ飛ばして、結論から話すんだから。
……おはようマリオン、我が妹よ」
「おはようございます、ブレナーお兄様」
普段はブレナーにお兄様なんて言わないんだけれど。
会話のノリで、そう答える。