あの頃からあなただけが好きでした
 コーカスの教会では、貴族と平民が混ざって座っていたが、王都では分かれている。

 貴族席に座っている人間にとっては社交活動の一環なので、朝早くからでも彼等は上品に着飾っていたが。
 こちらの平民席ではカーティスの出で立ちは、その容姿もあって大変目立った。


「……おはようございます。
 謝罪はもう結構ですから」

 嫌々と言った感じで、スコットは左隣のブレナーをカーティスに紹介した。
 ブレナーはスコットから事情は聞かされているだろうに、大人の対応をして。

 ふたりは私とスコットを挟んで握手をした。
 そしてそのままカーティスは私の右隣に座った。
 彼の一連の動作を忌々しそうに見ていたスコットが、私を挟んでカーティスに尋ねる。


「今朝はおひとりですか?
 バルモア嬢はご一緒ではないんですか?」

「……こちらに戻って居るなら彼女はご家族と
一緒だと、思います」

「はー、恋人なのにこっちに来ているか知らないなんてあるんだなぁ。
 彼女のご家族とは合流されないんですか?」

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