あの頃からあなただけが好きでした
「……そんな事言ってるんじゃないよ、落ち着いて考えてみろよ」

「……」

「クレアをその気にさせて……って、やつじゃないか?」

 スコットが私の手を取る。



「貴方には賛成して欲しかったのに。
 何度も何度も考えて決めたの。
 私も彼を求めてるのに、もう別れを繰り返したくない」

 私はスコットに握られた手を、もう片方の手で外した。


「彼の仕事に合わせて、ここを離れることになるかも知れないけど……」

「待って、仕事を辞める気か?」

「出来たら辞めたくないけど、彼と離れたくないから」

 こんなことまで考えてしまうなんて、自分でも信じられない。
 あんなに大切だった仕事を二の次にしてしまうなんて。


 だけど、カーティスとの未来を夢見てしまったら。
 タガが外れたように彼の事しか考えられなくなってしまった。


「次回食事に行った時、ゆっくり話しましょう?
 これからカーティスのところに行くから……
 また今度ね?」


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