あの頃からあなただけが好きでした

 もしかしたらと、期待に膨らんでいた胸がしぼんでしまったのが自分でもわかった。
 すると、肩を叩かれて隣を見上げればカーティス本人だった。


「マリオン、何組?」


 びっくりした。
 休み前までオーブリーと、彼は家名で私を呼んでいたのに。
 知り合って1年で、友達に昇格してくれたのだと嬉しくなった。



「あー、えっと、2組……貴方は?」

「俺は3組。
 これでまたテスト情報を交換出来るな?」


 私の方は名前で呼ばせて貰っていいのか、わからなくて。
 無難に貴方と呼んだ。

 だけど直ぐに名前呼びに変えた。
 一度勇気を出して『カーティス』と声をかけたら、普通に自然に『うん?』と返事をしてくれたからだ。



「自由行動の時にさ、案内してやろうか?
 ほら、俺は夏に行ってるし」

「あー、いや、でも……」
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