あの頃からあなただけが好きでした

「いや、悪いよ
 せっかくの自由時間なんだし……」

「だから、夏に行ったんだって。
 もう別に見たいとこないしさ、気にすんな。
 大学面白そうだ、手伝わせろよ」


 手伝ってあげる、じゃなくて。
 手伝わせろ、と言ってくれて。
 小さな事かもしれないけど、私にはその気遣いがとても大きく感じられる。


「そっかー、王都の大学か。
 俺もさ、卒業したら王都に出る予定だから。
 住むとこ、マリオンの近くにしてもいいな?」


 カーティスの一言で、心臓がバクバクしてくる。
 彼も王都へ出るんだ!
 住むのも近く? 近くにするの?
 卒業しても、カーティスと友達でいられる!



「治安の良いとこ、探そうな?」


 久々に彼の蒼い瞳を、まともに見ることが出来た。

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