あの頃からあなただけが好きでした
 
 2ヶ月後にブレナーの誕生日があり、今年はどうするのか。
 またサプライズ的にやっちゃうか。
 その相談をしたかったらしい。


「今夜じゃなければ、ずーっと空いてるから」

「ずーっとなんて、そんな寂しい事は聞かせないでよ」


 私の返事にスコットは笑っている。
 そう、私には特に予定なんかない。 
 たまたま今夜が塞がっていただけ。



 ブレナーが夜勤の日に、私とスコットはよく食事した。
 彼の次の夜勤は3日後だ、と言う。
 パーティーに使いたいお店を一緒に下見しようよ、というのだ。
 それで3日後の約束をしてスコットと別れた。


「バルモアには俺からよろしくなんて、絶対に言わなくていいから」

「はいはい~」


 私はヒラヒラと手を振り、スコットに見送られて研究所を後にした。

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