あの頃からあなただけが好きでした
何度か、ジュリアに言われたけれど。
諦めたくないなら、そうすればいいのに。
求婚を待ってるんじゃなくて、自分からキーナンさんのところに行けばいい。
私だって、大学受験を認めて貰えるまで、どれだけ両親を説得したか……
冷たいようだが、ジュリアにそう言いたかった。
なんだかんだ言って、次女の私は気楽だった。
ジュリアは後に残されて自分の代わりになってしまう私に、気を遣ってくれていたのかもしれないのに。
そんな会話を彼と交わして、しばらく経った頃
から、カーティスが学園に来なくなった。
姉から託されて、彼に渡せない手紙は教科書に
挟んだまま。
当然のようにキーナンさんからジュリア宛の手紙も途絶えた。
学園から帰宅する私を、待ち構えていたように
ジュリアが私室に連れ込むのだが、私が渡せる
手紙は今日も無い。
「どういう事? どうして休んでいるの?
弟さん、病気なの?」