あの頃からあなただけが好きでした
学生の頃、皆でよく集まったレストランで。
クレアが私を待っていた。
きれいにセットされた髪、自分に似合う化粧も
決まっていて、最大限に自分の魅力をアピール
出来る彼女が私は嫌いじゃなかった。
ひとしきり、お互いの近況や知り合いの情報を
交換したりして、小一時間たった頃。
珍しくおずおずとした調子で、クレアが話を切り出してきた。
昔よくノートを貸して、と頼んできた表情だ。
「あのね、実はこれからもうひとり来るの……」
ふたりだけで会おう、と言ってきたのはクレアだったのに。
他に誰か大学の頃の友人を呼んでいたのかな、と軽く考えて私は頷いた。
「いぃよぉ、大歓迎。
誰呼んだの?」
酔った脳裏に、私達が当時仲の良かった何人かが浮かんだ。
「私の恋人……というか。
もうすぐ婚約するの、私達」